TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)
〜当院は犬の前十字靭帯断裂に対する最新の手術法TPLOの実施可能施設です〜
前十字靭帯断裂について
前十字靭帯は膝関節内に存在する靭帯で、膝関節の前方への安定性などに関わってくる重要な靭帯です。
犬の前十字靭帯断裂は関節疾患のなかでも非常に多い疾患で、大型犬から小型犬まで発生します。
断裂してしまうと膝の安定性を欠いてしまい、脛骨が前方に変移して歩行困難になります。
TPLOについて
1993年にDr.Slocumらによって考案された手術法で、脛骨近位部に骨切りを行い、脛骨高平部の傾斜を水平になるように矯正する手術です。
残存靭帯の保護効果が唯一文献的に証明された術式で、特に中型犬以上の体格の子では、関節外法などの従来の方法に比べて良好な術後経過が期待できます。
施術できる施設は国内でもそこまで多くありませんが、東京の整形外科専門病院で研修を重ね、勤務医時代に数多くの施術の経験を積んできました。
北陸の地で今まで培ってきた技術をご提供できればと思います。
レントゲン写真
症例1:12kg コーギー
<術前>
<術後>
<両側とも施術しています>
症例2:25kg ゴールデンレトリバー雑種
<術前>
<術後>
<術後、正面>
骨折手術
〜最新のロッキングシステムを導入しています〜
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ロッキングプレートはプレートのスクリューホールとスクリューヘッドとがネジで強固にロックされるため骨折整復箇所に対して高い固定力を期待できます。また、従来のプレートはスクリューでプレートを骨に押し付ける摩擦力によって固定性を得ていましたが、ロッキングシステムはプレートとスクリューの角度安定性によって骨折部を固定するため、プレートを骨に圧迫する必要がありません。骨癒合に重要な骨膜の血流を温存できるため、癒合不全のリスク軽減が期待できます。
椎間板ヘルニア
〜椎間板ヘルニアの治療に力をいれています〜
椎間板ヘルニアについて
脊椎の椎体間にある椎間板が脱出して脊髄を圧迫することをいいます。
ダメージを受けた場所により、頸部・背部の強い痛みや、前肢・後肢の麻痺がでます。
重度なものであれば排尿・排便困難になることもあります。
またかなり脊髄のダメージが深刻な場合、脊髄軟化症という病態となり、命に関わることもあるので診断・進行の有無を正確に見極めることが大事になります。
検査・治療に関して
神経学的検査やレントゲン検査により椎間板ヘルニアを疑う症状であれば、脊髄の評価のためにCT検査かMRI検査が必要になります。(画像撮影は外部機関に依頼しています。)
<矢頭:脱出した椎間板が脊髄を圧迫>
内科治療:病状が軽度であれば消炎鎮痛剤で快方に向かうことも多いです。
外科手術:麻痺が強く痛覚に支障がでている場合は早期の手術により椎間板を摘出します。