犬の環軸不安定症に対する腹側固定術

今回は犬の環軸不安定症についてです。

環軸とは、首の骨である環椎(第一頚椎)と軸椎(第二頚椎)からなる関節のことで、

この部位が不安定になることで頸部の脊髄に様々な影響がでます。

軽度の場合は頚部の疼痛、起立姿勢や歩行の異常、重度の場合は四肢の麻痺、排尿障害、および呼吸異常などの症状が認められます。

小型犬種、特にヨークシャテリア、チワワ、トイプードル、ポメラニアンでの罹患症例が多いと言われています。

症例は1歳のヨークシャテリアで頸部の間欠的な強い疼痛が認められました。

CT検査にて環椎ー軸椎間の不安定性を認め、環軸不安定症と診断しました。

 

治療は手術による腹側固定術を選択しました。

環椎ー軸椎間をアプローチして、関節間をピンで固定します。

 

環椎・軸椎にそれぞれピンを固定し、その上から骨セメントで覆い固定しました。

 

術後のレントゲンです。

 

術後は疼痛が消失し、経過は順調です。